宇宙船はうさぎでした2014/08/30 00:59

香港歴史博物館が休館であったために、予定外に見学することにした香港科学館 (もともと香港歴史博物館も予定してませんでしたが...)
ここの地下でやっていた宇宙開発の特別展が意外に面白かったです。

宇宙船はうさぎでした


中国では昨年12月に長征3B型ロケットにより、月面に無人探査機を送り込んだとのことで、その記念展とのことです。

会場に入ると、最初に実物大の月面探査機が目に入りました。
玉兎と名づけられています。
やっぱり中国でも月にいるのはうさぎなのですね。

宇宙船はうさぎでした


宇宙船はうさぎでした


見学者は大陸の人が多く、みんなこの玉兎を背に記念写真を撮っています。
ところがこの玉兎、妙に違和感があります。
無人探査機にしては妙にサイズが大きいのと、アルミ板で作られた武骨な箱みたいな形をしていて...
こういっちゃ悪いですが、なんか小食屋台みたいなイメージです。本当にこれを月に送り込んだのかな? と疑問に思ってしまったのですが、しかしながら実際の月面から送られてきた写真を見ると、こちらはアルミの箱の部分がちゃんと金箔で覆われていています。

宇宙船はうさぎでした


どうも今回の展示用にこしらえた実物大模型のようで、よくよく見ると造りにけっこうアラが見えます。
まあ、こんなものなのでしょうね。

宇宙船はうさぎでした


宇宙船はうさぎでした


奥の広いフロアに入ると月着陸船からこの玉兎が出てきたところの実物大ジオラマが作ってありました。
この月着陸船は名前を「嫦娥(ちゃんがー)」というそうで、月の女神のようです。
ところでこのジオラマ、さらに造りが粗くて、段ボールに銀紙を貼って作られているのがありていに分かってしまう程でした。

宇宙船はうさぎでした


このフロアを見てようやくこの特別展の趣旨が分かってきました。日本だとこの手の展覧会って出来る限り本物を見てもらおうと、展示物の確保に腐心するとこころですが、この香港の展示会、中国の月面探査の成功をみんなでお祝いしましょうというのが主旨のようです。
そんなわけで、宇宙技術の展示のほかに、月面探査の成功を祝って作った陶芸や書画など、記念の品々なども展示されていました。

宇宙船はうさぎでした


ここから、
搭載器物の紹介コーナー

宇宙船はうさぎでした

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宇宙船はうさぎでした

最後のカメラモジュールは香港の大学との共同開発だそうです。

いろいろと展示を見てまわりましたが、いろいろ細かいところが日本のロケット技術と違っていて興味深かったです。
たとえばこのロケット発射台。こんな観音開きみたいにアームがロケットに近づくようになっていますが、これで建築構造的に大丈夫なのかな?
宇宙船はうさぎでした


宇宙船はうさぎでした

宇宙船はうさぎでした


こちらはロケットの模型。
補助ロケットを4基も付けて、かなりこの「嫦娥」自体重量があることが分かります。

ここで最初の、なんで月面探査船「玉兎」が軽量化、小型化をはからないのだろうかという疑問に立ち返りました。
月面探査するだけであれば、もっと小型で軽量な探査船でよかったはずです。それをあえてそうしないのは、最終目標として月面への有人宇宙探査を目指していて、人が乗るだけのペイロード(ロケットの積み荷の重量)を月まで運ぶための実践訓練を兼ねていたからじゃないかと思います。
だとすると、今回の月面探査が成功した今、次はいよいよ有人月面探査ですね。
成功すれば米国のアポロ計画以来約40年ぶりの快挙となります。

近い将来、増えすぎた人口を宇宙に移民させるようになるなど、宇宙開発の必要性に最も迫られるのが中国になるんじゃないかと思います。
そういう意味で宇宙開発に積極的なのも分かる気がします。



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